使用マウスピース:VINCENT BACH 5GS, GIALDINELLI 4M コーンのアメリカンタイプのバリトンホーン。4ヴァルヴなので、コーンでは「Euphonium」としてゐる。年季の入ったサテンシルバーで澁い(ワタシと同い歳!)。元々はメインテューニングスライドにトリガーが着いてゐたはずだが、前の所有者が、支柱ごと取り外したやうだ。凹みが多く、レシーバーシャンクも半田が外れてゐたり、所々亀裂があった為、大がかりなレストアを行った。お陰樣で、かなりいい状態に回復した!(マウスパイプは痛々しいが(笑)) レシーバーはコーンシャンクだったが、ラージシャンクに付け替へた。また、ピッチが低かったので、メインテューニングスライドをカットした。さらに「焼き鈍し」加工をしたところ、バリトンホーンらしい抵抗感が取り戻され、かなりいい具合に蘇った! さらにさらに、メッキ工房で、ベルの内側を金メッキにした。
音色は、ユーフォニアムよりも明るくハッキリとしてゐて、ブリティシュ式のバリトンよりも太く豊かだ。ホルンパートとの音色の相性も、とても良い。古いアメリカの曲にソロがある場合や、行進曲、ジャズで使ひたいと思って購入。早速、P.グレインジャーさんの「リンカンシャーの花束」を演奏したが、やはりグレインジャーさんは、この樂器を意圖して「Baritone」のパートにソロを書いたのだ、と直感するに至った。R.ベネットの「シンフォニック・ソング」や、C.ウィリアムスの「ファンファーレとアレグロ」なども、この楽器で演奏したら、かなりしっくり來ると思ふ。勿論、アメリカの行進曲にはびったりの音色で、嬉しくなった(笑)。