かねてからの夢だった、オフィクレイド。1860年頃に製造されたのとのことで、150年も前の楽器。古いユーフォニアムといふ感じの、味はい深い音色。ただの飾りとしてではなく、樂器として使っていきたいと思ってゐる。
B♭管、10キー仕樣。ベルには、
RÉZEAU
Fournisseur de l'Armée
RUE GANTERIE 10
ROUEN
と刻印。
RÉZEAU は、Gustave RÉZEAU といふフランスのディーラーで、アドルフ・サックスの工房にゐた職人が開業したとされてゐる。Fournisseur de l'Armée とあることから、フランス軍軍楽隊に納めた樂器と思はる(故にB♭管といふのも頷ける)。
平成25年11月4日、ムジカ・ポエティカ主催の「レクイエムの集い2013 〜魂の慰めのために〜」にて、オーケストラ、ユピキタス・バッハにオフィクレイド奏者として加わり、メンデルスゾーンの大作、オラトリオ「エリヤ」を演奏した。最低音がAだったため、C管のオフィクレイドでは対応できず、このB管を使用した。
終演後、觀客や演奏者の方々から「凄く良かった」「迫力があった」「とてもいい響きだった」「曲にいい色を添えてゐた」「低音が心地よくて、安心して歌へた」「格好良かった」などと、お褒めの言葉といふか、主に驚きの声を、嬉々としたご表情と共に頂いた。
【Ophicleideの最新記事】