2013年07月04日

COUESNON & Cie. Monopole Conservatoire - Saxhorn Basse 6 Pistons en Ut


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 ケノンのサクソルンバス。C管で6本ピストン式の、所謂「フレンチテューバ」。ラヴェル編の「展覧會の繪」の「ビドロ」のソロは、當時のフランスで「テューバ」として一般的であったといふこの樂器が想定されてゐたと言はれてゐる。通常のサクソルンバスとの違ひは、調性とピストンの數(通常のサクソルンバスは3〜5ピストン)、ピストン操作時の音程くらゐのもので、音色に關しては殆ど變りない。

 サクソルンにはコントラバスがあるにも關らず、なぜこの樂器がフランスのオーケストラで使はれ續けて來たのか等、この楽器については謎が多い。

 このケノンのモデルは、一般のサクソルンバスのやうな形状ではなく、ユーフォニアムのやうな形状をしてゐる。C管6ピストンは、ケノンやコルトワの古いカタログには、このユーフォニアム型の方しか載っておらず、フランスのオーケストラの映像資料でも、ユーフォニアム型ばかりである。しかし、他の文献や残された樂器には、サクソルンバス型が圧倒的に多く登場する。面白いことに、ケノンのB♭管サクソルンバスは、カタログにもこの二つのタイプが載ってゐる。どのような意圖で、二つのタイプを用意してゐたのか、大変興味深い。

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  どちらも同じケノンのC管サクソルンバス(フレンチテューバ)。
 
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2013年07月03日

ORSI - Flicorno Baritono in B♭


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  サクソルンのやうなヴァルヴ式円錐管系金管樂器、フリコルノ。イタリアでは、ピストン式、ロータリー式の兩タイプが製造されてゐる。中低音域のB♭管には、管の太さに應じてなんと三種類もの樂器がある。

 その中で、このフリコルノ・バリトーノは、同じくB♭管のテノーレとバッソの中間ぐらいの太さ。

 この ORSI のモデルは、ドイツ・オーストリアなどで見られるような卵型で、彼の地のテノールホルンやバスフリューゲルホルンに近い太さと音色。マウスパイプのレシーバーシャンクは、トロンボーン用のスモールシャンクに近い。
 
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ORSI - Flicorno Tenore in B♭


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 サクソルンのやうなヴァルヴ式円錐管系金管樂器、フリコルノ。イタリアでは、ピストン式、ロータリー式の兩タイプが製造されてゐる。中低音域のB♭管には、管の太さに應じてなんと三種類もの樂器がある。

 その中で、このフリコルノ・テノーレは最も細く、マウスパイプのレシーバーシャンクは、トランペットやアルトホルンと同じサイズで、トロンボーン用のスモールシャンクすら入らない。

 O.レスピーギの交響詩「ローマの松」に登場するバンダ(ブッキーナ)の「Flicorno Tenori」に該當する樂器。Tenori は、Tenore の複數形。円錐管とは言へ、かなり細いせゐか、音色は、サクソルンのバリトンよりも、ヴァルヴ・トロンボーンやキングのトロンボニアム(トロンボニウム Trombonium)に近い感じがする。

 この ORSI のモデルは、以前に入手した MARIO CORSO とは違ひ、ドイツ・オーストリアなどで見られるような卵型。
 

 
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COUESNON & Cie. 1383 CGO Serie - Ophicleide


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 B♭管に續いて、運良くC管のオフィクレイドも入手できた。1900年頃のケノン製。11鍵で、F#、G#のキイが付けられていたり、Hのキイが蝶番式になっていないなど、オフィクレイドとしてはかなり新しいタイプ。

 B♭管のオフィクレイドは主に軍樂隊で使用されたが、C管は主にオーケストラで使用された。今はユーフォニアムのレパートリーとなっている、G.クンマー(Kummer)の「Variations for Ophicleide」も、C管を想定してゐたのではないかといふ氣がする。

 平成25年冬には、このオフィクレイドでF.メンデルスゾーンの「夏の夜の夢序曲」をオーケストラにて、また平成26年春には、同じくメンデルスゾーンの「ハルモニームジークのための序曲」のバスホルンパートを吹奏樂で演奏豫定。

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  B♭管(左)とC管(右)
 
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Serpent EMS

 
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 古樂器のセルパン(「蛇」の意味)。16世紀の終はり頃から、教會音樂の低音パートで補強的に用ゐられてゐたさうだ。

 本來は刳り貫いた木を合はせ、革を巻いて作られた。これは樹脂製だが、ある程度それらしい音がする。試しにやってみたいといふ方やコレクターにもお勸めできる(オブジェとしてもなかなかのもの)。もし購入したい方がゐたら、こちらからご連絡を。ただし、大量には作れないないため、入手はタイミング次第。

 バズィングと指穴を開け閉めすることで音程を變へる。指穴はリコーダーのやうに合理的位置に開けられてゐるのではなく、あくまで届きさうなところに開けてあるので、指や口で調整することになる。まだあまり眞面目に練習してゐないので、とても演奏ができるほどには至ってゐないのだが、學校の音樂教室などで實演するとかなりウケがいい。
 
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